その「めまい」、良性発作性頭位めまい症かも?
「めまい」を症状とする病気はいろいろあります。
今回は、寝ている時に回るようなめまいを起こす「良性発作性頭位めまい症」について紹介します。
良性発作性頭位めまい症ってどんな症状?
この病気の一番の特徴は、寝返りを打ったときや朝起きたとき、急に後ろを向いたときなど、頭の位置を動かしたときに起こる「めまい」を言います。
この時に起こるめまいは、ぐるぐると回るような回転性やふわふわと浮くような浮動性のめまい、立ちくらみなどがあります。
時間にして10秒~1分程度と短く、「ん?」と違和感を感じて、頭を動かすと再び「めまい」が起こります。
しかし、めまいの度合いは繰り返す度に弱くなり、症状は軽減されていきます。
「めまい」から、吐き気やおう吐などを伴う事もありますが、「良性発作性頭位めまい症」では、耳鳴りや難聴といった「聞こえ」に対する症状が見られないのが特徴です。
この病気は、「めまい」を症状とする患者の30%ほどを占めるもので、耳を原因とするものではもっとも多いとされています。
「めまい」があると、「脳の病気かな?」「メンタルが疲れているのかな?」などと不安になるものですが、
- 頭を動かしたときだけに起こる「めまい」
- 時間にして1分以内と短い
- 耳鳴りや難聴が同時に起こることがない
- 普段はまったくめまいがしない
- めまいになったとき、頭の位置を何度か変えると落ち着く
ものなら、「良性発作性めまい症」の可能性大です。
全てに当てはまるようなら、そう心配もありませんが、ほかにも気になる症状があるとき、めまいが強すぎるときには病院へ受診しましょう。
良性発作性頭位めまい症の原因は?
耳の中(内耳と呼ばれる器官)にある「耳石(ミクロの石)」に異常が起こることで、めまいが引き起こされると考えられています。
耳石は、身体のバランスを保つ役割をしています。
しかし、この耳石が何らかの理由ではがれ落ちて、三半規管に入ってしまうと、頭を動かした衝撃が刺激となって「めまい」を引き起こしてしまうのです。
はがれ落ちる原因としては、慢性中耳炎などの内耳の炎症や、頭部外傷などが挙げられますが、はっきりとした原因は分かっていません。
<落ちた耳石はどうなるの?>
落ちてしまった耳石は、内耳の細胞に吸収されて消失します。
三半規管内に刺激となる耳石がなくなるわけですから、「めまい」も消失します。
吸収してなくなるまでの自然治癒期間は、数週間から3カ月ほどです。
良性発作性めまい症の治療は自然治癒を待つのが基本
「良性発作性めまい症」になったら、自然治癒を待ちましょう。特にお薬があるわけではありません。
とはいえ、「早く治してあげたい!」時には、リハビリや理学療法によって、治癒を早めることも期待できますので、必要に応じて医師に相談してみましょう。
治癒を待つ間は「めまい」の発作予防として、頭の動かし方に注意していきます。
例えば、朝起きる時などは極力ゆっくり起きる、頭はできるだけ下げるような動きは控えるなどです。また、「めまい」は無意識に動かした際にも起こりえますので、症状が落ち着くまでは危ない場所での作業は控えるなどの注意も必要です。
<めまいが起きたら…>
とにかく頭の位置を動かしましょう。
この病気の特徴の一つでもありますが、めまいを繰り返す中で症状が落ち着いてきます。
逆に、ジーッと動かずにいると「めまい」は治まりません。
「めまい」が継続的に続くと、吐き気やおう吐を引き起こしかねませんので、意識的に動くようにしましょう。
「良性発作性めまい症」は予後のよい病気ですが、再発もしやすいものです。
「めまい」が起きたときの対処法を知って、体調管理に役立てて頂ければ幸いです。
まとめ
その「めまい」、良性発作性頭位めまい症かも?
良性発作性頭位めまい症ってどんな症状?
良性発作性頭位めまい症の原因は?
良性発作性めまい症の治療は自然治癒を待つのが基本