炎症が治まった後も要注意!川崎病の「後遺症」

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いちご舌に要警戒! 川崎病の特徴的な症状の数々

の記事にて、川崎病 の様々な症状について一通りの記述をしましたが、実はこの川崎病、「全身の血管が炎症を起こす」症状が治まった後も、長期にわたって油断のならない病なのです。

なぜならば、

後に、「冠動脈瘤(かんどうみゃくりゅう)」「弁膜症(べんまくしょう)」「心筋炎(しんきんえん)」をはじめとする、「心臓や血管の重い 後遺症 」が残る可能性があるから

です。

特に「冠動脈瘤」は後に説明しますように、患者の命にも関わる危険な後遺症です。

つまり、川崎病の最も恐ろしいところは

(発熱や発疹といった)急性期の血管炎症の症状

よりもむしろこの、

血管の炎症によって生じた冠動脈瘤(後遺症)によって引き起こされる、心筋梗塞・突然死の危険

なのです。ただ、その確率は高いものではなく、冠動脈瘤によって命を落とす患者は約0.05%、2000人に1人くらいです。発見が遅れる事によるケースがほとんどですから、早期発見・早期治療を心がけましょう。

日本川崎病学会では、川崎病で入院または外来で治療された患者さんの急性期の情報を正確に記録し、 その情報を将来に伝達するためのカードを作りました。患者さんの健康管理に役立てて頂ければ幸いです。  ご希望の方は、退院時もしくは病気になって1~2か月後の診察の時にお申し出ください。


川崎病によって生じる「冠動脈瘤」について

冠動脈」とは

心臓に血液を送り込んでいる血管

です。

心臓とつながる血管ですから、生死に直結する大事な器官である事は容易に想像がつくであろうと思います。

冠動脈瘤」とは

冠動脈に生じた瘤(こぶ)

の事です。

この瘤がなぜ恐ろしいのかと申しますと、

もし、瘤が出来た箇所で血管が詰まってしまい心臓に十分な血液が行かなくなれば、心筋梗塞を発症しやすくなり、最悪の場合死に至るから

です。

冠動脈瘤の検査には、聴診、心電図、胸部X線、断層心エコー(超音波検査)などがあります。

冠動脈瘤は、発病から5日~2、3週間の間(急性期)に現われる事が多いですが、この時に適切な治療を行えば、後遺症が残る確率を約10%程度まで減らす事が出来ます。(行わなければ20%以上にまで確率が上昇してしまいます。)

急性期以降に現れることもあるため、長期にわたる定期的な検査が必要です。

後遺症が出ないようにするためにも、早い段階での治療を勧めます。早期に発見出来れば、最悪の事態になる事はほとんど防げます。

また、たとえ後遺症が残っても、時間が経つ内に自然に治る事も多いようです。後遺症が完治するまでの期間は、数日であったり数年かかったり、人により様々です。


冠動脈瘤(後遺症の主症状)の治療法

現在の治療では、

免疫グロブリン

による治療、および

アスピリン

による治療が主となっています。

免疫グロブリンとは、

人の血液から精製した血液製剤

の事です。これには、血管の炎症を抑える働きがあります。免疫グロブリンによる治療を「γ(ガンマ)グロブリン療法」と言い、免疫グロブリン製剤を1日~2日かけてゆっくりと、点滴静脈注射により投与するものです。

現在では、患者の約90%がγグロブリン療法を受けています。

アスピリンとは内服薬で、あの有名な「バファリン」に含まれる成分です。

アスピリンは、熱を下げる他にも、炎症を抑えて血を固まりにくくし、冠動脈がつまらないようにするために使用されます。(要は「血をサラサラにする薬」であると思って下さい。)

これを、γグロブリン療法と並行して行います。

アスピリン治療もγグロブリン療法と同様に、冠動脈瘤の有無にかかわらず、ほとんどの川崎病患者が受ける治療です。

血管の炎症防止の為に約1ヶ月飲み続ける事になりますが、その後の検査でOKが出ればアスピリン治療は終了となります。後遺症がある場合(冠動脈瘤が残ってしまった場合)は、その後もアスピリンの服用が続きます。

その他にも、肝機能が悪化しているならば「フロベン内服」場合によっては「ウリスタチン療法」などが、治療法として存在します。(これらは主要治療ではありませんので、本記事ではこれらの治療法に関しての詳細を省略します。)


初期治療が効かなかった場合は?

初期治療が効かない場合、

ステロイドの使用

血漿交換(患者の血液成分を取り出して健康な人の血液成分と交換する治療)

を行う場合もあります。最近では、急性期の初期からステロイドを使う事もあります。


その後も冠動脈瘤が残ってしまった場合は?

冠動脈瘤が残ってしまった場合は心筋梗塞のリスクがあるため、その後も経過観察が続きます。

心臓のエコー検査、および、血栓をつくらせないために血液を固まりにくくする薬(アスピリンやチクロビジン、ワーファリンなど)の内服を定期的に続けていく必要があります。

冠動脈瘤が悪化し、心臓に適切な量の血液が送られなくなってしまう程に冠動脈が狭くなってしまった場合は、カテーテル治療やバイパス手術(詰まった血管の先に他の血管をつないで血流を補助する手術)を行います。


今回のまとめ

炎症が治まった後も要注意!川崎病の「後遺症」
川崎病によって生じる「冠動脈瘤」について
冠動脈瘤(後遺症の主症状)の治療法
初期治療が効かなかった場合は?
その後も冠動脈瘤が残ってしまった場合は?

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