耳から脊髄液が漏れる耳の病気「外(がい)リンパ瘻(ろう)」とは

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Evernoteに保存Evernoteに保存
  • 0

SNSフォローボタン

耳から脊髄液が漏れる耳の病気「外(がい)リンパ瘻(ろう)」とは

toddler

本記事で紹介します外リンパ瘻(がいりんぱろう)”という病名をご存知でない方々はとても多いであろうと思います。

この疾病は、病名自体は人口に膾炙(かいしゃ)していないのですが、実は誰にでも起こり得る可能性のある、割と身近な病気なのです。


外リンパ瘻とはどのような病気なのか

外リンパ瘻は、“耳の「中耳(ちゅうじ)」と「内耳(ないじ)」の間にある『内耳窓(ないじそう)』という器官に何らかの原因で小さな穴が空いてしまう事で「外リンパ液」が穴から漏れ出してしまい、難聴・耳鳴り・めまい等の症状を生じる病”です。

内耳窓に穴が空く疾病である事から、本疾病の別名を内耳窓破裂症とも言います。

外リンパ液が内耳窓から中耳へと漏れ出す事により、様々な症状が生じます。(ちなみに、外リンパ液とは「脳脊髄液」の事です。)

(※補足)

普段見慣れないこの「瘻」という漢字は、“外傷や潰瘍(かいよう)等で生じた「穴」”という意味です。

つまり、「外リンパ瘻」とは“外リンパ液が漏れだす穴”という意味なのです。

(※補足)

本疾病の初診は「耳鼻咽喉科」を診察されて下さい。


外リンパ瘻の原因

先述しましたように、外リンパ瘻は「内耳窓に穴が空く事」によって生じます。

内耳窓に穴が空く原因は様々です。

以下で、その原因として代表的なものを挙げていきます。

鼻かみ型外リンパ瘻

これは、鼻を強くかんでしまう事によって「ポンッ」という音が聞こえ(内耳窓の破裂音です)、難聴が発症するタイプです。鼻をかむ事により、「中耳内の圧力」や「脳脊髄圧」が急激に高まる事によって、内耳窓に穴が空くのです。

「鼻をかむ」という動作以外にも、「トイレでいきむ」「出産時にいきむ」「非常に重い物を持ち上げる」「海に潜る」「飛行機に乗る」などの行為も、中耳内の圧力が急激に高まりますので発症しやすくなります。

外傷性外リンパ瘻

「外傷性」と名付けられていますように、「交通事故」や「転倒」など、頭部を強く打つ事により内耳窓に穴が空いてしまうタイプです。

耳掃除の時に鼓膜や中耳を傷つけてしまう

耳掃除にも充分にお気をつけ下さい。特に耳かきを使用される方はご注意を。


外リンパ瘻の診断方法・検査方法

「外リンパ瘻」であると診断するには、“外科手術によって内耳窓の「瘻」を発見する”事が当然ながら最も確実です。

しかしながら手術は患者の身体的負担が大きい為、その前にまず、難聴の具合や平衡感覚の良し悪しを観察して、外リンパ液が漏れだしているかどうかを事前に確認していく為の検査が行われます。

外リンパ瘻の診断・検査の手段として代表的なものに、以下のような方法が挙げられます。

問診

・中耳内の圧力が急激に変化するような動作(先述の「鼻かみ」等)を最近経験したか否か

・頭部を激しく打つ等の外傷はないかどうか

・耳掃除の際に何か異変を感じた事はないかどうか

問診ではこういった事が質問されます。

(どれも、外リンパ瘻の発症原因になるものばかりですね。)

聴力検査

もちろん聴力検査も実施します。本疾病では難聴が生じる事が非常に多い為です。

CTP検出検査

これは、

“鼓膜に穴を開けて内耳を生理食塩水で洗浄し、漏れ出している外リンパ液の成分(特異的タンパク(CTP))の有無を調べる”

という検査です。

CTPが検出されれば、外リンパ瘻である可能性は非常に高いです。

スクリーニング検査

これは“(「病気の原因およびその程度を調べるための検査」ではなく)病気の有無を調べるための検査”の事です。

外リンパ瘻のスクリーニング検査として、

・「水の流れるような耳鳴り音」がするかどうか

・以前、「ポンッ」という音を聞いた経験があるか否か(先述しました「内耳窓の破裂音」です)等を質問されます。

圧変化

外耳や中耳の圧力を変化させる事によって「耳鳴り」が生じた場合、本疾病である可能性が高いです。


「外リンパ瘻」の主な症状

・耳鳴り

・めまい

・難聴

・耳の閉塞感

・平衡感覚の低下

等の症状が顕れます。


主な治療方法

治療法は、大別すると

“保存的療法”

“外科的療法”

の2種類があります。

一言で違いを申しますと、“手術しないで自然に治癒するのを待つか、手術をして瘻を塞ぐか”という事です。

外リンパ液の漏出がなくなれば、症状は劇的に改善します。

保存的療法

特に緊急でない場合や、症状が比較的おだやかな場合には、保存的療法で自然治癒を選択する事が殆どです。

なぜならば、内耳窓に瘻が出来ても、1週間前後で自然治癒する事が多いからです。

保存的療法とは、

“頭部を約30°上に傾けた状態で安静を保つ”

という治療法です。こうする事によって、脳脊髄圧を下げ、症状が緩和されるのです。

外科的療法

保存的療法で症状の改善が見込めない場合には、手術をして直接外リンパ瘻を塞ぎます。

この場合、数日間の入院が必要となります。


まとめ

耳から脊髄液が漏れる耳の病気「外(がい)リンパ瘻(ろう)」とは
外リンパ瘻とはどのような病気なのか
外リンパ瘻の原因
外リンパ瘻の診断方法・検査方法
「外リンパ瘻」の主な症状
主な治療方法

SNSフォローボタン

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Evernoteに保存Evernoteに保存