「ADHD」は治る?生活しやすくする工夫

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ADHD」は 治る のか。「ADHD」は発達障がいの一種なので根本的な完治はしないけれども、その特徴をよく知り工夫をすることでより生活しやすい環境を作ることはできます。

「ADHD」による生活でのつまづきを少しでも軽くする工夫を紹介します。


治療の根幹は教育・療育支援と薬物療法

「ADHD」の治療においてその基盤ともなるのが教育・療育の支援になります。また症状の度合いによっては医師の判断で投薬されます。

「ADHD」は先天的に脳の神経伝達物質の働きが不足する発達障がいの一種なので風邪の様に病原菌が体内から死滅するといった根本的な治療はできません。

しかしきちんとした治療を受けることで、「不注意」、「多動性」、「衝動性」という3つの特長による生活のつまづきを少なく、より生活しやくすることはできます。

<代表的な2つの薬>

1つは非中枢神経刺激薬の「アトモキセチン」というお薬です。

これは脳内のシナプスのもつ脳内神経伝達物質の回収機関であるトランスポーターの役割を阻害することで、「ADHD」の患者さんが不足しやすい「ノルアドレナリン」などのホルモンのバランスを保つ働きをします。

もう1つが中枢神経刺激薬の「メチルフェニデート」というお薬で、こちらは即効性に優れますが副作用などの心配が「アトモキセチン」に比べて大きいので慎重な判断が求められます。

「メチルフェニデート」は中枢神経に直接作用することで脳内の「ノルアドレナリン」などの神経伝達物質の分泌を増加させることによってホルモンのバランスを保つ働きをします。

<教育・療育支援とは?>

教育・療育支援では「ADHD」の子どもの周りの環境を整える環境整備、円滑なコミュニケーションや学校だけでなく社会生活になじめるようにするSST(ソーシャル・スキル・トレーニング)などの支援をします。

また、保護者の方が「ADHD」とお子さんのことをより理解して具体的な対処法などについて知るペアレンツ・トレーニングなども行われます。


認知による差「同時処理」と「継時処理」とは?

人間の認知(感覚や情報、経験を自分のものにしたり、それらを用いて外界に働きかけるという情報処理の過程やその全体のこと)には個々人によって少し差があります。

特に「ADHD」などの発達障がいをもつ人はそれが顕著になりやすいことが知られています。

認知特性は「同時処理」と呼ばれるものと「継次処理」と呼ばれるものに分かれます。また正確には違いがあるのですがそれらを「視覚優位」、「聴覚優位」という言葉に置き換える場合もあります。

<同時処理(視覚優位)の特徴>

まず全体図を映像や画像として認識する

・全体図を思い浮かべ、その目的にむかって穴埋めをしていく形で作業を進める

・文章や映像での情報は頭に入りやすいが、言葉で説明を聞くのが苦手

・自分の中では映像や画像が浮かんでいるので会話中に主語が欠落することがある。

・時系列に沿った順序だてた思考が苦手

<継時処理(聴覚優位)の特徴>

・時系列にそった順序だてた認識をする

・順番通りに作業を進めていく

・言葉や音声による情報が頭に入りやすいが、図面や地図などを見ながらの説明を聞くのが苦手

・抽象的な情報では混乱しやすい

・順序だてた会話を好むので話を遮られたりするのが苦手で、再開する時にその部分からではなく最初から説明を始めようとする

「同時処理」、「継時処理」というのは誰しもが普段何気なく行っているものであり、ご自身のことを考えた時に自分はなんとなくこっちよりの認知特徴を持っているかもと想像できますね。

では、違う特徴を持った人とコミュニケーションを取ると考えた時に相手にきちんと理解してもらうには、自分とは異なる認知特性に合うように説明をする必要が出てくるはずです。


<「ADHD」の患者は認知特性が極端なことがある>

一般には自身の中で認知特徴がどっちに寄っているかと想像はできても、検査などをするとそれほど偏りはないと言われています。

しかし「ADHD」などの発達障がいを持つ人は検査を行うと認知特徴に強い偏りがあることが多く、それが原因でコミュニケーションや生活に支障が出てくる場合もあります。

また、その認知特徴を理解することでこれまで説明をしても理解できなかったことが理解できるようになることもあります。


「ADHD」の治療意義

「ADHD」の場合には根本的に治ることはありません。では何をもって治る(治療の完了)と考えるのかというと、「患者本人が自分の特徴や特性を知り、周りの理解ある援助の元で工夫をすることで生活上のつまづきが少なくなり、自分らしさを発揮してより良い生活を手にすること」ができるようになった時に治療が完了したと考えます。

援助する側が大事なのは「ADHD」という特徴を、そして認知特徴などの個性をしっかりと理解してそれに合わせた支援をしていくことです。

例えば「同時処理」に偏った認知特徴のお子さんに順序だてて言葉を並べて伝えても上手く伝わらない所を、絵や図を見せながら全体的なことを説明してから一緒にその全体図を埋めるように考えさせることで順序だてて思考することができるようになります。

ペアレンツ・トレーニングではこうした具体的な支援の方法を教えてもらうことができます。

また本人は「ADHD」という特徴について理解を深め、そんな自分の特徴をふまえながら他者と上手くコミュニケーションを取る方法を学んでいくのが「ADHD」の治療となります。

「ADHD」という病気や個性を本人と周りの人がよく理解して、工夫をしながら生活上のつまづきを少なくし、より良い生活を手にしましょう。


今回のまとめ

「ADHD」は治る?生活しやすくする工夫
治療の根幹は教育・療育支援と薬物療法
認知による差「同時処理」と「継時処理」とは?
「ADHD」の治療意義

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